不当に低い請負代金 確認表(建設業法 第19条の3)
請負代金を決める前に、その金額が「通常必要と認められる原価」に満たないかを確かめる表です。下請の見積から原価を合計し、提示する代金と比べます。あわせて、指値や法定福利費の削除など、取引上の地位の不当利用につながる場面に当てはまらないかを確かめます。
不当に低い請負代金の確認表の中身(全シート)
ダウンロードできるExcelを、そのまま表示しています。上のタブでシートを切り替えられます。
| 不当に低い請負代金の確認表(建設業法 第19条の3) | |||||||
| 工事名 | 下請 | ||||||
| 1. 通常必要と認められる原価(下請の見積から) | |||||||
| No. | 費目 | 金額(円) | メモ(根拠の資料) | ||||
| 1 | 材料費 | ||||||
| 2 | 労務費 | ||||||
| 3 | 機械経費 | ||||||
| 4 | 法定福利費(事業主負担分) | ||||||
| 5 | 安全衛生経費 | ||||||
| 6 | 共通仮設費 | ||||||
| 7 | 現場管理費 | ||||||
| 8 | 一般管理費(利潤を除く) | ||||||
| 原価の合計 | 直接工事費+共通仮設費+現場管理費+一般管理費(利潤を除く) | ||||||
| 下請の見積の総額(利潤を含む) | |||||||
| 提示された(または合意しようとしている)請負代金 | |||||||
| 原価との差(円) | |||||||
| 原価に対する割合 | |||||||
| 見積に対する割合 | |||||||
| 判定 | |||||||
| 「通常必要と認められる原価」は、その地域でその工事をするのに一般に必要な価格(直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費の合計。利潤は含まない)とされます(建設業法令遵守ガイドライン「4」)。原価に満たないことだけで違反と決まるわけではなく、取引上の地位を不当に利用したかどうかと合わせて判断されます。 | |||||||
| 2. 地位の不当利用につながる場面(ガイドラインの行為事例から) | |||||||
| No. | 当てはまる場面 | ○ | メモ | ||||
| 1 | 自社の予算額だけを基準に、協議せずに見積額を大きく下回る額で決めた(指値) | ||||||
| 2 | 契約しなければ今後の取引で不利になるとほのめかして、従来より大幅に低い額で決めた | ||||||
| 3 | 代金を増やさずに追加工事をさせた | ||||||
| 4 | 契約後に、決めた代金を一方的に減らした | ||||||
| 5 | 合意なく、端数処理として一方的に減らした | ||||||
| 6 | 見積書の法定福利費を一方的に削った | ||||||
| 7 | 契約単価を一方的に示し、合意なく、その単価で積算した額で決めた | ||||||
| 8 | 資材や労務費が上がって変更の協議を申し出たのに、一方的に応じなかった | ||||||
| ○の数 | 0 | ||||||
| 3. 受注する側が原価割れで契約するときの正当な理由(第19条の3第2項・施行規則 第13条の11) | |||||||
| No. | 正当な理由 | ○ | 根拠の資料 | ||||
| 1 | 自社が持っている安い資材を使える | ||||||
| 2 | 先端的な技術や蓄積した知識・技能で、工事原価を下げられる | ||||||
| 3 | 緊急の必要その他やむを得ない事情がある | ||||||
| 令和7年12月12日の施行から、受注する建設業者も、正当な理由がなければ原価に満たない金額で契約してはならなくなりました(第19条の3第2項)。 | |||||||
| 不当に低い請負代金の確認表(建設業法 第19条の3) | |||||||
| 工事名 | 〇〇ビル 事務所改修工事(内装) | 下請 | 株式会社〇〇内装 | ||||
| 1. 通常必要と認められる原価(下請の見積から) | |||||||
| No. | 費目 | 金額(円) | メモ(根拠の資料) | ||||
| 1 | 材料費 | 1,450,000 | |||||
| 2 | 労務費 | 2,100,000 | |||||
| 3 | 機械経費 | 120,000 | |||||
| 4 | 法定福利費(事業主負担分) | 310,000 | |||||
| 5 | 安全衛生経費 | 60,000 | |||||
| 6 | 共通仮設費 | 180,000 | |||||
| 7 | 現場管理費 | 420,000 | |||||
| 8 | 一般管理費(利潤を除く) | 260,000 | |||||
| 原価の合計 | 4,900,000 | 直接工事費+共通仮設費+現場管理費+一般管理費(利潤を除く) | |||||
| 下請の見積の総額(利潤を含む) | 5,200,000 | ||||||
| 提示された(または合意しようとしている)請負代金 | 4,600,000 | ||||||
| 原価との差(円) | -300,000 | ||||||
| 原価に対する割合 | 94% | ||||||
| 見積に対する割合 | 88% | ||||||
| 判定 | 原価に満たない。協議の経過と理由を記録する | ||||||
| 「通常必要と認められる原価」は、その地域でその工事をするのに一般に必要な価格(直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費の合計。利潤は含まない)とされます(建設業法令遵守ガイドライン「4」)。原価に満たないことだけで違反と決まるわけではなく、取引上の地位を不当に利用したかどうかと合わせて判断されます。 | |||||||
| 2. 地位の不当利用につながる場面(ガイドラインの行為事例から) | |||||||
| No. | 当てはまる場面 | ○ | メモ | ||||
| 1 | 自社の予算額だけを基準に、協議せずに見積額を大きく下回る額で決めた(指値) | ○ | |||||
| 2 | 契約しなければ今後の取引で不利になるとほのめかして、従来より大幅に低い額で決めた | ||||||
| 3 | 代金を増やさずに追加工事をさせた | ||||||
| 4 | 契約後に、決めた代金を一方的に減らした | ||||||
| 5 | 合意なく、端数処理として一方的に減らした | ||||||
| 6 | 見積書の法定福利費を一方的に削った | ○ | 法定福利費の行が消えていた | ||||
| 7 | 契約単価を一方的に示し、合意なく、その単価で積算した額で決めた | ||||||
| 8 | 資材や労務費が上がって変更の協議を申し出たのに、一方的に応じなかった | ||||||
| ○の数 | 2 | 協議をやり直す | |||||
| 3. 受注する側が原価割れで契約するときの正当な理由(第19条の3第2項・施行規則 第13条の11) | |||||||
| No. | 正当な理由 | ○ | 根拠の資料 | ||||
| 1 | 自社が持っている安い資材を使える | ||||||
| 2 | 先端的な技術や蓄積した知識・技能で、工事原価を下げられる | ||||||
| 3 | 緊急の必要その他やむを得ない事情がある | ||||||
| 令和7年12月12日の施行から、受注する建設業者も、正当な理由がなければ原価に満たない金額で契約してはならなくなりました(第19条の3第2項)。 | |||||||
| 不当に低い請負代金の確認表 | |
| 配布元 | 建設業法フクロウ(FUKULO/合同会社商陣) https://gyoho.fukulo.com/templates/ |
| シート構成 | 「記入用」(空欄)・「記入例」(書き方の見本)・「説明」の3枚です。 |
| 使い方 | 「1」に下請の見積から費目ごとの金額を入れ、見積の総額と提示する請負代金を入れます。「2」で当てはまる場面に○を付けます。受注する側として使うときは「3」も確かめます。 |
| 判定の付け方 | 提示する請負代金が原価の合計より小さければ「原価に満たない。協議の経過と理由を記録する」、大きければ「原価を上回る」と出ます。 |
| 自社に合わせて直すなら | 費目は自社の見積の書式に合わせて言い換えてかまいません。メモの欄に、見積書や実行予算などの根拠の資料を書いておきます。 |
| 気をつけること | この表の判定は目安です。原価に満たないかどうかは、地域の同種工事の実例なども見て判断されます。協議の経過(いつ・誰と・何を話したか)を残しておくことが大事です。 |
| ご利用にあたっての注意 | 無料でお使いいただけます。社内での利用・改変・印刷は自由です。この様式そのものの再配布・販売はご遠慮ください。記入例の会社名・工事名・金額・日付はすべて架空です。この様式は法律の判断を代わりにするものではありません。個別の判断は、許可を受けた行政庁(都道府県・地方整備局)の窓口や、弁護士・行政書士などの専門家にお確かめください。 |
| 関係する法令等 | 建設業法 第19条の3第1項(注文者は、取引上の地位を不当に利用して、通常必要と認められる原価に満たない金額で契約してはならない)・第2項(建設業者も、正当な理由がある場合を除き、原価に満たない金額で契約してはならない。令和7年12月12日施行)。建設業法施行規則 第13条の11(正当な理由)。国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン(第12版)」4.不当に低い請負代金。 |
| 更新日 | 2026年10月24日 |
| 建設業法フクロウについて | 建設業法の決まり(見積期間・契約書の記載事項・下請代金の支払・工期・印紙税)と改正点を、チェックシートの無料Excelと解説でまとめた専門サイトです。https://gyoho.fukulo.com/ |
実際の画面:不当に低い請負代金の確認表のExcel。社名・人名は架空です。印刷はA4・余白10mmに合わせてあります。
不当に低い請負代金の確認表を使う場面
- 下請と代金を詰める前に、原価を下回っていないか確かめるとき
- 下請の見積を大きく下げる交渉をする前に、記録を残すとき
- 受注する側として、原価割れの契約にならないか確かめるとき
不当に低い請負代金の確認表の項目と書き方
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 原価の合計 | 材料費・労務費・機械経費・法定福利費・安全衛生経費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費(利潤を除く)を合計します。 |
| 差と割合 | 提示する請負代金と原価の差、原価に対する割合、見積に対する割合を出し、原価に満たないときは協議の記録を残すよう表示します。 |
| 不当利用の場面と正当な理由 | ガイドラインの行為事例から8つの場面と、受注側が原価割れで契約できる3つの正当な理由(施行規則 第13条の11)を確かめます。 |
不当に低い請負代金の確認表を使う前に確かめること
このテンプレートは、建設業法フクロウが一次資料(法令・国や自治体の手引き)を確かめて作った書式です。提出先(元請・役所)に指定の様式がある場合は、その様式が優先します。記入例の会社名・人名・金額はすべて架空です。作り方と確かめた資料の考え方は編集方針にまとめています。
不当に低い請負代金の確認表のよくある質問
原価を下回ったら、すぐ違反ですか?
注文者側は、取引上の地位を不当に利用して原価に満たない金額で契約することが禁止されています(第19条の3第1項)。原価との差だけでなく、協議の状況などと合わせて判断されます。
受注する側にも決まりがありますか?
令和7年12月12日の施行から、建設業者は、正当な理由がある場合を除き、原価に満たない金額で請け負う契約をしてはならなくなりました(第19条の3第2項)。
原価に利益は入りますか?
ガイドラインは、通常必要と認められる原価を、直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費の合計で、利潤相当額は含まないとしています。
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